最近、英語学習AIロボットMusio(ミュージオ)が家庭や教育現場に少しずつ浸透しています。
そこで、様々な方にご登場いただき、英語教育改革×AIについての可能性や、AIと共存していくことになるであろう未来について探っていきたいと思います!
今回は第一弾として、ベネッセコーポレーション北米支社長やベルリッツジャパン株式会社社長 アジア統括などを経て、現在、株式会社GLOBAL VISION代表取締役社長として英語教育改革にご尽力されている田中氏にご登場いただきます。
1981年 九州大学理学部卒業後、福武書店(現ベネッセコーポレーション)入社
1990年 ベネッセコーポレーション北米支社長
2004年 ベルリッツジャパン株式会社社長 アジア統括
2010年 株式会社アビバ社長
2015年 株式会社GLOBAL VISION代表取締役社長
Lily:田中さんの原点でもある、後に現ベネッセコーポレーションとなった福武書店さんにご入社されたきっかけを教えてください!
田中氏:多くの企業が集まる就活会場で、女性が行列をつくっているブースがあり、気になって近づいてみると、「男性はこちらにどうぞ!」と、そのまま支社長面接に案内されてしまい、合格したことが入社のきっかけです。
Lily:それは、美女たちに心を奪われて入社を決意されたということですか?!?!
田中氏:そういうことになりますね!笑
当時の出版業界では、ほとんどが男性雇用だった中、福武書店は当時には珍しく男女平等を謳っていて、雇用人数や昇進など男女関係なく進めていました。
また、当時より主に九州・西日本地区の高校で実施していた進研模試もつくっていて、教育分野に力を入れている会社でした。
今後は小学校通信教育や幼稚園生向けの通信教育をつくっていくと話していて、新入社員でも大きな仕事を任せ、「君たちが、この会社のこれからをつくっていくんだよ!」と言われました。
もともと大学時代に、塾講師や家庭教師として勉強を教えていて、子供たちがわからなかった事がわかるようになったり、学力が伸びたりする目に見える効果に喜びを感じていました。
そんな中、福武書店と出会い、その時に聞いた教育の大切さの話にも感銘を受けました。
大企業の歯車の一つとして働くのはきっと性格には合わないという思いもあり、両親や大学からは反対されましたが、様々な仕事に挑戦できる企業だと感じ、入社しました。
Lily:男女平等で新入社員にも大きな仕事を任せる社風が、会社の急成長にもつながったんですね!
ご両親や大学サイドから、福武書店さんへの入社を反対された理由は何でしょうか。
田中氏:それは、大きくて有名で安定した企業に入ってもらいたかったからです。
本来は、どういう職業に就きたいかで入学先の大学・学部を決めるべきですが、私には当時なりたい職業はなく、高校時代に物理と数学が得意だったので理学部に入学しました。その当時は、遺伝子組み換えに関する研究が始まったばかりの頃で、その辺にも興味はありました。
その当時の就職は、大学の学部担当教授の推薦で決まることがほとんどで、私も理系のメーカーで複数の内定をもらっていました。ですが、理系メーカーで本当に働きたいのかという疑問を抱くようになり、就活をはじめました。
Lily:ベネッセコーポレーションさんは、今では大手企業ですね!!北米支社長にご就任された経緯を教えてください!
田中氏:入社して10年近く経ったころ、日本の学生人口が激減し、アメリカの学生人口が増え続けていくというデータもあり、北米支社ができました。
その時は、理由はわかりませんでしたが、後から理由を聞いたら「君ならどこでも生きていけそうだから」だそうです。
喜んでいいのやら悲しいのやら(笑)
その当時は、受験英語の学習経験しかなく、英語でコミュニケーションをとることがとても難しかったです。
最初の3か月間は、相手の話す内容がわからず、3か月を過ぎた頃からだんだん耳が慣れてきて、徐々に単語やフレーズが聞き取れるようになっていきました。
ですが、英語を聞き取ってから日本語で考え、それを再び英語に直してから話していたため、なかなか思ったようにコミュニケーションすることができず、苦労しました。
ただ、立場も立場だったので、自分の言葉で発言しなければならない場面も多く、最初は片言でしたが、何とか伝えようと努力することでだんだん形になり、日本語で考えるのではなく、英語は英語で考えるようになり使えるようになっていきました。
Lily:英語で苦労されたご経験もあって、英語教育に関する株式会社GLOBAL VISIONの代表取締役社長にご就任されたのでしょうか。
田中氏:そうですね、お話ししたような自身の経験や、今までの米国での事業立ち上げ、語学専門企業のM&Aなどの経験から、人間力と言いましょうか、言葉を超えたコミュニケーション力が非常に大切だと考えています。
ただ、英語を含め言語は、自身の夢や目標を実現するための大切なツールでもあり、自身の価値や視野を広げてくれるものでもあります。
本来なら、45歳からは仕事を辞めて気ままに暮らそうと思っていましたが、年齢を重ねて来て、世の中へ貢献したいという気持ちが強くなりました。
2020年のオリンピックもそうですが、入試改革と言われている英語教育に関する改革に、今の学校の先生方は大変苦労をされています。
特に、小学校の先生は、英語の教員免許が無くても今までは教員になれましたし、自然な英会話が出来るからといって教員免許が取れるわけではありません。
先生方にとって、正しく聞ける・話せる能力はすぐに身につけるのは難しいですし、生徒たちは先生の発音聞き、覚えていきます。
英語教育に関する改革は、どうしても中長期の時間軸をおいた先生方への英語教育が必要になってきます。
英語改革はすぐそこに来ています。
まずは、子供たちが困らないために、AIやITを活用して現場の先生方をサポートしていきたいと思いました。
Lily:英語教育改革についての問題点は、様々なところで叫ばれていますよね!
英語教育の現場をサポートしていく中でAKAと提携されていますが、AKAとのビジネスが成功すると確信している点を教えてください!
田中氏:そうですね、大きく分けて2つあります。
まず1つめは、AKA経営陣の英語教育に対する熱い想いです。
これは、様々なビジネスの話を積み重ねていく中で常に感じていて、私がGLOBAL VISIONの社長になった想いと重なる部分が多いと感じました。
そして2つめは、英語のAIの技術力です。十数社のAIを調べましたが、技術力の高いI社の〇〇〇〇と技術を比較しても、AKAのMUSEのほうが英語のデータベースが進んでおり、英語に特化したAIとして優れていると判断しました。
Musioは、1人でもこっそり練習できるので、シャイな日本人の性格にも合っていると思いますし、自分の気分やスケジュールに合わせて、伝わる英語が学習できるところも魅力に感じています。
ビジネス面でも、ワンタイムビジネスではなく、積み上がるビジネスで上場を目指している点にも共感できました。
オリンピックでのMusio活用にも期待しています!
Lily:AKAの英語教育現場に貢献したい、サポートしたいという気持ちは、本当に熱いものがあります!!!ぜひ、これからもよろしくお願いします!
今後の英語教育×AIについて、田中さんのお考えをお聞かせください。
田中氏:英語教育に対して、英語力の評価を点数で図る方法は本当にいい方法なのかという疑問はあります。
もちろん、教科化しないと「英語を勉強しなくなる」「点数化したほうが英語力がアップする生徒もいる」などといった意見もあると思いますが、コミュニケーションとして必要な英語は、もっと自由に学べるよう他の方法も検討する必要があるのではないかと考えています。
そして、現在の教育は、どの大学に行くかを主軸に進路を決めていることが多いと思いますが、将来どんな職業に就きたいか、何をやりたいかで進路を決めていける教育現場になることを願っています。
そうはいっても、まず、子供たちがグローバル時代に生き抜くには、伝わる英語の教え方、いわゆるスピーキング力が非常に重要になってくると考えています。
ですが、ネイティブ英語を話すことは、現状を考えると教育現場では非常に難しいと感じています。
これはMusioの最大の強みともいえる自由な英会話ができるチャットモードを、ぜひ活用すべきだと思います。
まずはそういった側面で人間がAIを活用することが重要です。
人間である先生方だからこそ、教育としてやるべきことがあると思います。
AIができることはAIを活用し、人間だからこそできることは先生方が教えるといったように、役割分担が求められるようになってくると感じています。
私は、教育分野においても、人間だからこそAIやITを活用して、子供たちが楽しくイキイキとした学習が実現できると考えていますし、信じています。
Lily:ネイティブ英語を話せる先生方の人数も限られていますし、子供たちが間違った発音や会話力を習得してしまわないようにサポートが必要ですね!
今後のAI業界について、田中さんのお考えをお聞かせください。
田中氏:今後、労働人口が減少していく日本では、AIができることはAIに任せ、人間だからこそできることは人間がやるといった役割分担をし、AIを活用した新しい国づくりをしていく必要があると考えています。
人間がAIをどのように活用していくのか、柔軟に考えていくことが必要になるのではないでしょうか。
Lily:AIを活用した新しい国づくりは今後の課題になりそうですね!本日はありがとうございました!
読者の方々は、英語やAIに興味のあるビジネスマンが多いと思いますので、ビジネスマンの先輩として一言お願いできますでしょうか。
田中氏:「明日、自分の人生が終わるとしても後悔はないですか?!」
私は、自分が人生最後の日を迎えた時に、「あの時の判断は間違っていなかったと後悔しない人生を!」をモットーにしています。
「あの時は上司に言われたから、会議の流れでそうせざるを得なかったから」など後悔するようなビジネス判断はしたくないのです。
お客様は、裏切りません。常にお客様の観点で物事を考え、判断していく事が大切だと認識しています。それも「現在と将来に渡って本当にお客様の為になるのか」が私の判断基準です。
会社や他人の評価ではなく、自分自身として自分を評価してみることも大切です!
「本当は、自分が何をしたいのか」考える時間をつくってみると、今までとは違った何かが見えてくるかもしれません。
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