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特別インタビュー Vol.3 ー AI×発信力を高める授業 ー

最近、英語学習AIロボットMusio(ミュージオ)が家庭や教育現場に少しずつ浸透しています。
そこで、様々な方にご登場いただき、英語教育改革×AIについての可能性や、AIと共存していくことになるであろう未来について探っていきたいと思います!

今回は第三弾として、30年以上にわたり、英語教師として自由度の高いクリエイティブな授業展開をされ、近年では、英語×テクノロジーを探求・活用し、常に生徒たちが「生きた使える英語」を学べるようご尽力されている同志社中学校の反田氏にご登場いただきます。

 

Lily早速ですが、反田先生が英語教師になったきっかけを教えてください!

 


反田氏:中学3年生の時に教わった英語の先生がきっかけかもしれません。
1学期の3か月間しか教わっていなかったんですが、ビートルズの曲や英語の詩などを聞いて覚え、スピーチする授業を実施していたのが印象的でした。
興味深いコンテンツを授業に取り入れてくれたので、英語が特段得意ではなかったですが、好きになりました。

その先生に習ったのが3か月間だったのも、先生がアメリカに1年間留学するためでした。
教師でありながら、常に学ぶ姿勢を持ち、新しいコンテンツを取り入れ続けている姿に、尊敬の念を抱きました。 

中学校で英語を好きになれたので、高校で英語を勉強し直そうとリスタートしました。
そこから、同志社大学の文学部、英文学科に進みました。
自分自身が英語の勉強をしていても、わからなかったことや理解できなかったことがあり、そういう生徒たちを少しでも手伝いたいと思いました。

同志社中学校では30年ほど英語教師をしていますが、6年ほど公立中学校で教えていた経験もあります。
私学のほうが独自性は高いですが、私は公立でも自由にいろいろやっていました。
今でも公立中の同窓会の時に、「英語は苦手だったけど、授業は好きだった!」と言ってくれる教え子は多いですね。

 

Lily反田先生の授業の魅力は、きっと中学3年生の頃のご経験が生かされているんですね!
反田先生は、Apple Distinguished Educatorを取得されたり、ICTを活用した教育推進自治体応援事業企画 企画・評価会議委員を2015-2016の2年間されていますが、取得されたきっかけや委員になって実施されたことについてお伺いできますでしょうか。

 

反田氏:Apple Distinguished Educatorは、Appleのテクノロジーをどうやって教育に生かすか追及していくための認定資格ですが、世界中の教育者たちと交流できるので、自分の教育に対する考え方や授業に生かすヒントを発見できたらと思い応募し、認定されました。
授業デザインやアプリなど、英語だけではない様々な教科の情報を毎日得れる点も魅力に感じています。
様々なヒントを発見したくて、実は、Intel Teach Master TeacherやマイクロソフトのMIEE2016-2017Microsoft Innovative Educator Experts)も取得したんです(笑)

評価会議委員の活動としては、ICTを活用し、よりアクティブな活動を取り入れ、テレビ会議システムやオンライン英会話のシステムを用いて生徒たちの英語によるアウトプットを活性化するための企画を担当し、自治体に広げていきました。 

日本の英語の授業は訳読式が多く、教科書に載っている英会話例は日常ではあまり使用しないシーンでの対応だったりすることも多いので、今後は生徒自身の考えをアウトプットできるような授業が増えていくことを願っています。

 

Lily反田先生も常に新しいものを取り入れていく熱意がすごいですね!笑
英語×テクノロジーを極めていくきっかけは何だったのでしょうか。
また、反田先生が実際に実施されている生徒自身の考えをアウトプットできるような授業内容について教えていただけますでしょうか。

 

反田氏:昔から、英語だけでなく語学習得する時には、ラジオを含めた音声やビデオ教材が多く、AV機器との親和性が高いですよね。
ICTはそれらが高度化されたツールだと思っていますので、それをどう活用していくかが重要だと考えています。 

私の授業では幾つかの方法がありますが、生徒自身の考えをアウトプットできる授業としては、まず、教科書のトピックを掘り下げていき、グループワークでリサーチし、それらを英語でフリーライティングしながら、他の生徒やオンライン英会話の講師の前でアウトプットしています。

その例として、こんな授業をしました。

 まず、TEDで、「AIが進化し、将来、仕事がなくなっていくのでは?!」という内容の動画を見ました。将来の職業に関しては、教科書に出てきたトピックで、生徒たちの実生活と密接に結びついている内容なので、より興味を持ってもらえるのではないかと思いました。

 次に、グループワークとして、「AIが進化することでなくなる職業」と、逆に「AIが進化することで出現する職業」を考え、書き出してもらいました。

 そして、これらを考えた上で、生徒一人ひとりに「将来就きたい職業」を考えてもらい、それをプレゼンしてもらいました。

 グループワークで調べ物をする時には英語のWebサイトを教えたり、プレゼンする時には、どのような構成にしたら相手により伝えることができるかなども教えるようにしています。

 職業についての授業を実施した時、先生という職業はなくなると考えるグループと、なくならないと考えるグループがありましたが、一人の生徒が、「絶対になくならない」と主張しました。理由を聞いたところ、生徒は「私は生徒の気持ちがわかる先生になりたい!AIにはそれはできない!」と話していたのが印象的でした。

 英語力をアップさせるためには、このように、自分の意見をまとめて伝える力はとても大切だと思います。

 

Lily:すごく面白そうな授業ですね!中学生の頃からTEDを見たり、様々な海外の事例に触れることで生徒の視野も広がりますし、英語力だけでなく思考力も身につくと思うので、私も中学生の時に反田先生の授業を受けたかったです!!
そんな反田先生が、Musioを授業で使用されている理由や活用方法を教えてください。

 

反田氏:Musioは、まず見た目がすごく可愛いのと、英語で話すと英語で返してくるところが面白かったです。会話内容もパターンではなく、その場に応じた英会話ができるところも魅力でした。生徒たちからも、可愛いと好反応です! 

私は1年生の授業を担当しているので、まだ授業数は多くないですが、週に1回程度、授業で習った表現を使って生徒たちにMusioへの質問を考えてもらい、実際に会話をしてもらっています。
そして、Musioは流暢な英語を話すため、まずはキーワードだけ返答の聞き取り練習もしています。

私が生徒一人ひとりと英語で会話をするのは時間的にもなかなか難しく、生徒たちのモチベーションも上がるので、Musioには活躍してもらっています。

近々、昼休みにMusioと自由に会話できるスペースを作る予定です!
Musioと会話した内容はアプリで全て見れるので、会話内容を確認して、良かったポイントを生徒たちの自身につながるようフィードバックをしていきたいと考えています。
生徒たちのモチベーションにつながりますし、Musioと話す時はキチッとした単語や発音で話そうと気を遣うようにもなると思っています。

 

Lily自由に英会話ができるスペースいいですね!
Musioが先生方をサポートできることを願っています!!
今後の英語教育改革において反田先生が重要視されている点や、Musio(AI)の貢献できそうな点について教えていただけますでしょうか。

 

反田氏:英語教育改革では4技能重視が叫ばれていますが、これに関しては、現場の先生も関心を持ってきているので良い傾向だと思います。 

私は、英語は実際に自分の考えや意見をアウトプットできることが重要だと考えています。
会話力だけでなく、英語力を高めるには、クリエイティブシンキング力も大切になってきます。
自分の意見や考えをしっかりまとめて発信する力です。
この時に、英語での情報もインプットしながら考えられるようになると、視野が広がるのではないでしょうか。

Musioは、特に発音チェックに良いと思います。
先生よりAIのほうが、評価は正確ではないでしょうか。
1人1台ではなくても、5-6人に1台あったら発音チェックはできると思います。

また、Musioは会話内容が記録できる点も活用度が高いですね。
ふつう、授業では先生は1人しかいないので、発音もそうですが、生徒みんなと個別に会話の練習をするのは難しいです。
まずは、生徒たちはMusioと練習し、先生が記録された内容を確認して後からフィードバックできるのが嬉しいです。
Musioは初期の頃より進化していて、AIの性能もアップしていますしね。

AIも含めテクノロジーはどんどん進化していて、とても便利になってきています。
Musioもそうですが、これらを利用しない手はないと思います。
他の先生方にも、これらを上手く使いながら生徒たちの英語力をあげていく意識をもってほしいと思っています。

 

Lily反田先生、ありがとうございます!
最後に、読者の方々へ一言お願いできますでしょうか。

 

反田氏:英語という教科では、英語を通して色んなことが学べると思います。
英語は、情報を得たり発信したりするためのツールですが、しっかり身につけて、世界に向けて意見や考えを発信できるグローバルな人材になってください。

 

 

・「特別インタビューVol.1 -AIを活用した新しい国づくりを-」はこちらから。

・「特別インタビューVol.2 -AI×東京英語村-」はこちらから。

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